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AI生成考
作:高居空
なるほど、今話題の生成AIイラストに、自分も手を出すべきか迷ってる、ねえ。
確かに絵心のないウチらみたいな小説サークルにとっては、あれは魅力的なツールだよなあ。
でも、ウチのサークルでは今のところ、あれを使うつもりはないね。
なぜかって?
まず一つは、生成AIを嫌悪する層が確実に存在するって事だな。
そうした層は、内容を見るより前に、生成AIを使用しているってだけで購入対象から外すからね。元々小説サークルなんて即売会では二桁売れれば中堅どころといったニッチジャンルなのが現実なんだから、元々少ないパイを自ら減らしてどうするよって話さ。
そしてもう一つ、ウチのサークルは活動歴がそこそこ長いからね。あれを使うには少々リスクが大きいのさ。
どういうことか?
そうだな。例えば、小説に女の子が登場するとする。
ウチの頭の中では、その女の子の姿を劇画タッチで思い浮かべていたとして、読者もみんな同じように劇画タッチの女の子を想像すると思うかい?
まあ、違うだろうな。美少女アニメタッチの女の子を思い浮かべる読者もいるだろうし、少女漫画風のキャラを空想する読者もいるだろう。
まさにこれこそ小説の醍醐味。同じ文章を読んでも、読者が思い浮かべるキャラクター像は千差万別ってわけさ。
さて、ここで、作者から生成AIによる劇画調の挿絵がお出しされたとして、これまで美少女アニメや少女漫画風のキャラを思い浮かべていた読者はどう考えると思う?
コレジャナイってなるだろう?
これがイラストレーターに依頼した挿絵だったらまだ良いんだよ。多少解釈違いがあったとしても、これが絵師の得意なタッチかもしれないって納得はしてくれるから。作者が正式回答をお示しする、この行為が危険ってわけさ。
ウチらにとっては、一見、自分の理想の挿絵が入ってクオリティアップしたように見える……いや、間違いなくアップはしているんだが、読者にとってはそうじゃない事もあるってことだ。場合によっては、見切りをつけられてしまうこともあるかもな。ほら、漫画でも、ストーリーは良くても、絵柄が合わないから読まないっていうのあるだろう?
これらを勘案すれば、生成AIイラストを導入するメリットよりもリスクの方が大きいって判断になるわけだ。まあ、まだファンの付いていないこれから活動を始めるサークルなんかは状況はまた別なんだろうけどな。
それでも生成AIを使いたいって言うんなら……イラスト以外で使ってみるのはどうだ?
ほら、例えばサークルの売り子でも、むさいおっさんがやるよりも、露出度高めな可愛い女の子がやった方が本は売れると思うだろう?
何を言っているのか分からない?
まあ、騙されたと思って、ここのサイトからダウンロードできる生成AIアプリを使ってみるといいよ。ただし、最初の設定は対象が自分になっているから、チェックを外すのを忘れずにな。
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